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最新のリウマチ・膠原病治療

膠原病とは

1942年、米国病理学者Klempererによって膠原病という疾患概念がはじめて提唱されました。膠原病という名前は臨床的な一つの病気を指すのではありません。
病理学的変化(顕微鏡で認められる変化)にもとずいて命名された疾患群を指すのです。膠原病に属する代表的な病気には次のようなものがあります。

全身性エリテマトーデス

systemic lupus erythematosusの頭文字をとって、SLEと呼ばれています。
発病の頻度は4人/10万人程度で、男女比は1:9と女性に多く、好発年齢は20~40歳です。

■症状

一定の形式に従わず、いろいろな症状を伴って発症してきますが、最も多いのが関節症状です。さまざまな臓器障害を引き起こしますが、SLEに特徴的と考えられる臓器としては、関節、皮膚そして腎臓が挙げられます。

  • 皮膚症状:顔にできる蝶形紅斑が代表的で、それ以外には手掌紅斑、爪甲周囲紅斑や脱毛、レイノー現象が認められます。
  • 関節炎:多発関節炎を認めます。慢性関節リウマチとは異なり、骨破壊や変形をきたすことは極めて稀です。
  • 腎症状:蛋白尿が持続するのが基本的な尿所見です。尿沈査では赤血球、白血球、円柱などいろいろな成分が見られテレスコープ沈査と呼ばれています。ネフローゼ症候群を呈することもあり、重症例では腎不全に進むこともあります。
  • 血液症状:
     (a)溶血性貧血
     (b)白血球減少4000/ul以下
     (c)リンパ球減少1500/ul以下
     (d)血小板減少100,000/ul以下
■検査

抗核抗体、抗DNA抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体やLE細胞現象が出現したり、血清補体価が低下します。特に活動期には抗DNA抗体が上昇し、血清補体価が低下します。

■診断

診断は、アメリカリウマチ協会の基準にそって行われます。

■SLEの診断基準(アメリカリウマチ協会)
診断基準 定義
1.頬部紅斑 鼻唇溝をさけて頬骨隆起部上の平坦あるいは隆起性の固定した紅斑。
2.円板状紅斑 付着する角化性落屑および毛嚢栓塞をともなう隆起性紅斑,陳旧性病変では萎縮性瘢痕形成がみられることがある。
3.光線過敏症 患者の病歴あるいは医師の観察による日光に対する異常な反応の結果生じた皮疹。
4.口腔内潰瘍 医師の観察による口腔もしくは鼻咽腔潰瘍.通常は無痛性である。
5.関節炎 庄痛,腫脹あるいは関節液貯留により特徴づけられ,2つあるいはそれ以上の末梢関節をおかす非びらん性関節炎。
6.漿膜炎 a)胸膜炎―信頼し得る胸膜炎による疼痛、もしくは医師による摩擦音の聴取,もしくは胸水の所見。
あるいは,
b)心膜炎―心電図,もしくは摩擦音,もしくは心嚢液貯留の所見により証明されたもの。
7.腎障害 a)0.5g/日以上.もしくは定量しなかったときは3+以上の持続性たんぱく尿。
あるいは,
b)細胞性円柱―赤血球,ヘモグロビン,顆粒.尿細管性円柱あるいはそれらの混合
8.神経障害 a)疼れん―有害な薬物もしくは既知の代謝異常,たとえば尿毒症,ケトアシドーシスあるいは電解質不均衡などの存在しないこと。
あるいは,
b)精神障害―有害な薬物あるいは既知の代謝異常,たとえば尿毒症,ケトアシドーシス.もしくは電解質不均衡の存在しないこと。
9.血液学的異常 a)溶血性貧血―網状赤血球増多をともなうもの。
あるいは,
b)白血球減少症―2回あるいはそれ以上の測定時に白血球数が4.000/mm3未満であること。
あるいは,
c)リンパ球減少症―2回あるいはそれ以上の測定時に1,500/mm3未満であること。
あるいは,
d)血小板減少症―有害な薬物の投与なしに100,000/mm3未満であること。
10.免疫学的異常 a)LE細胞陽性。
あるいは,
b)杭DNA抗体:nativeDNAに対する抗体の異常高値。
あるいは,
c)抗Sm抗体:Sm核抗原に対する抗体の存在。
あるいは,
d)血清梅毒反応の生物学的偽陽性:少なくとも6ヵ月間陽性で梅毒トレポネーマ運動抑制試験TPIあるいは梅毒トレポネーマ蛍光抗体吸収試験FTA-ABSにより確認されたもの。
11.抗核抗体 蛍光抗体法もしくはそれと等価の方法で,異常高値を示す抗核抗体を検出すること。経過中のどの時点でもよい。“薬剤誘発性ループス症候群drug-induced Iupus syndrome”と関連していることが知られている薬剤投与のないこと。

※提案された分類は11項目に基づいている。臨床的研究で患者を同定するためには,経時的に。あるいは同時に,またどれくらいの観察期間の間にでも,11項目のうちいずれかの4項目,あるいはそれ以上が存在するときに,その患者が全身性エリテマトーデスを有しているといえる。

■予後

寛解と再燃を繰り返すことが多く、特に腎炎と中枢神経障害を示す場合に予後が悪いとされています。診断5年後の生存率は85%前後となっています。

■治療

原因療法は未だ見出されていません。下記の治療を組み合わせて治療計画を立ててゆきます。
(a)非ステロイド性消炎鎮痛剤
(b)ステロイドホルモン
(c)免疫抑制剤
(d)血漿交換療法

■日常の注意

(a)強い日光(夏の海や山)を避ける。
(b)感染、外傷や分娩などが再燃の誘引となり得ます。

シェーグレン症候群

1933年にスウェーデンの眼科医Henrik Sjogrenによって乾燥性角結膜炎と耳下腺腫脹をともなった慢性関節リウマチの患者として報告されたのが最初です。その後、現在では乾燥性角結膜炎、耳下腺炎など全身の外分泌腺が系統的に傷害される代表的な自己免疫疾患として研究が進められています。
発症率:15人/10万人
男女比:1:13.7
好発年齢:40~60歳代

■病因

T細胞、B細胞の免疫異常が発症の病因として考えられ、研究が進められていますが本当の原因は未だ解明されていません。疾患感受性遺伝子を有するヒトに環境因子が加わって発症するとされています。環境因子として、C型肝炎ウイルス、Epstein-Barrウイルス、成人T細胞白血病ウイルスI型などの関与が報告されています。

■分類
  1. 一次性シェーグレン症候群:乾燥症状を認めるが、膠原病の合併を認めない場合。
    (a)腺型
    (b)腺外型
  2. 二次性シェーグレン症候群:慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症などの膠原病に伴って乾燥症状を認める場合。
■臨床症状

一次性シェーグレンでは病変が涙腺、唾液腺に限局したものから進展して、外分泌腺以外の肺臓、腎臓神経などの諸臓器を冒すものがあります。前者を腺型、後者を腺外型と区別します。腺外型病変としては、関節炎(75%)、レイノー現象(48%)、リンパ節腫脹(32%)があり、この他に、易疲労、発熱、紫斑、性交時痺痛感、間質性肺炎、間質性腎炎などがみられます。

潜在型シェーグレン症候群:
生検病理検査、眼科検査、血清学的検査で陽性を示すが、乾燥症状を認めない症例のことを潜在型と呼びます。若い女性に多く機能障害の程度が未だ軽く、慢性の経過で将来に乾燥症状が出てくることを意味しています。注意深く経過を観察してゆくことが大切です。

臓器特異的自己免疫性疾患の合併:
一次性シェーグレン症候群の腺外症状としても理解できます。特に、自己免疫性甲状腺炎(橋本病、バセドー病)、自己免疫性肝疾患(原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎)が挙げられます。

リンパ増殖性疾患の合併:
約25%に単クローン性病変を有する他、約5%に悪性リンパ腫を合併することが報告されています。このことから、シェーグレン症候群は良性から悪性までの幅広いスペクトルムを持つリンパ増殖性疾患としてもとらえられています。シェーグレン症候群における悪性リンパ腫の発症の相対危険度は43.8と高く、ほとんどが非ホジキンリンパ腫で、B細胞由来を示しています。特に、耳下腺の腫脹、紫斑、低C4値、脾腫を持つ場合に悪性リンパ腫の合併の危険が高く、このような場合には厳重な経過の観察が必要です。

■診断基準
  1. 生検病理組織検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
    A)口唇腺組織で4mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上
    B)涙腺組織で4mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上
  2. 口腔検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
    A)唾液腺造影でStage I(直径1mm未満の小点状陰影)以上の異常所見
    B)唾液分泌量低下(ガム試験にて10分間で10mL以下またほSaxonテストにて2分間で2g以下)があり,かつ唾液
    腺シソチグラフイーにて機能低下の所見
  3. 眼料検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
    A)Schirmer試験で5分間に5mm以下で,かつローズベンガル試験(van Bijsterveldスコア)で3以上
    B)Schirmer試験で5分間に5mm以下で,かつ蛍光色素試験で陽性
  4. 血清検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
    A)抗Ro/SS-A抗体陽性
    B)抗La/SS-B抗体陽性

診断基準
上の4項目のうち,いずれか2項目以上を満たせばシェーグレン症候群と診断する

■治療

原因療法は未だ確立されていません。乾燥症状に対しては点眼薬の他、Cevimelineが有用です。腺外症状に対してはそれぞれの病状に合わせて治療を受けることが大切です。

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